橋ができるまで
橋には様々な種類がありますが、その橋を架ける架設工法にも橋の種類や現地の状況に応じていろんな工法があります。ここでは、代表的な5種類の架設工法について説明します。
自走クレーン(TC,CC)ベント工法
ベント工法は、もっとも一般的な橋梁の架設工法です。桁ブロックの継ぎ手付近に仮設した鋼製脚(ベント)の上に、移動式クレーンで上部工を架設し、架設桁の連結作業を完了した後、ベントを解体する工法です。ベント工法は、他の架設工法の中でも、架設工期が短く、工費も安い工法であり、各種構造形式の橋梁に適用できるものです。送出し(手延べ)工法
送出し(手延べ)工法は、橋が幹線道路や鉄道、河川を跨ぐ場合など、桁下にクレーンやベントを設置して架設作業を行うことが難しい場合に使用される架設方法です。工場から輸送されてきた桁を架設現場の隣接地点で仮組みし、手延機と呼ばれる架設用の仮桁を接続した後、ジャッキ等の機材を用いて桁を送出し、所定の位置に架け渡します。送出しが完了したら、桁を降下、横移動させ所定位置に据え付けます。
トラベラクレーン(TEC)・架設機による片持ち式工法
片持式工法とは、河川上や山間部でベントが組めない場合に使用される架設工法で、例えば、トラスの上面にレールを敷き、トラベラクレーンを用いて部材を運搬して組み立てていきます。片持式工法は主に連続トラスの架設時によく採用される工法です。架設中の構造系が完成系と異なることやトラベラクレーンおよび運搬台車の自重の偏芯によるねじり等に対する橋桁の安定性について十分にチェックすることがポイントとなります。また、トラベラクレーンによる桁の浮き上がり対策についても事前に検討が必要です。